嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

へんし~ん! ペット

孫である主人公のため、おじいちゃんが山から連れ帰ってきたのは子犬…、ではなく狐だった。不憫に思った主人公が山へ返そうと考えていると、突然狐が喋りだす。神使になるため、修行を積みに外界へ降りてきたという狐は主人公に修行の手伝いをするよう頼む。…

皮膚はすごい 生き物たちの驚くべき進化(2019)

人間を含む様々な生き物の皮膚の機能、進化について書かれた本。 大気中から水分を取る、根無しの植物チランジア(エアープランツ)、人間とそっくりの角層の繭を作るタピオカガエル、紫外線を吸収するカバの汗、氷点下でも凍らない「不凍タンパク質」を持つ…

とある兄妹の雨宿り「リトルブルー・フォレルスケット」

兄妹恋愛ものが好きだ。しかし世にあふれる兄妹ものは親の再婚、戸籍上の兄妹など甘ったれた設定が目立つ。戸籍上兄妹であっても血の繋がりのない兄妹はただの他人だ。 「だめ!相手はお兄ちゃんなんだから…」 「だめだ!相手は妹だぞ…」 戸籍を利用したまが…

荒俣宏妖怪探偵団 ニッポン見聞録 東北編(2017)

著者に荒俣氏の名が入っているが、本編は妖怪探偵団の1人、小説家の峰守ひろかず氏が担当している。冒頭のあいさつのみ荒俣氏が書いており、その文章は博識と上品さが漂い、うっとりするほど美しい。 荒俣宏氏をリーダーに荻野慎諧氏、峰守ひろかず氏の3人で…

人間界の狂気の果て「兄貴懐妊!」

勘違いに勘違いを呼びそうなとんでもないタイトルである。内容はタイトル通りなのだが、ギャグに全力を傾けているため、姉様方が喜ぶような展開はない、はず。自分にはそちらの趣味がないので分からない。 クリスマスの夜、主人公の「俺」は行き場のない怒り…

世にも奇妙な人体実験の歴史(2012)

淋病のメカニズムを解明するため、患者の膿を自身の性器に塗る、伝染病の感染経路を調べるため患者の吐瀉物を飲む、ガス中毒に苦しみながらガスマスクを開発…など自らを実験体にした研究者達。 冒頭の「はじめに」のタイトルは「マッド・サイエンティストの…

日本の昔話(1960)

よむよむ。 日本の昔話 著者:柳田国男 発行:1960 本体価格:514円+税

お坊さんが困る仏教の話(2007)

以下、メモ。 戒を守り切れば悟りに辿りつける考え「律宗」が生まれ、奈良時代日本に伝わった。(29 49日は中国道教の「中陰説(死者の行方が決まるまでの49日間を中陰と呼ぶ)」と「倶舎論(くしゃろん・善悪の行いがあらゆる現象の種子となるという考え)…

わたるとおしゃべり

中学2年生のわたるくんとおしゃべりするゲーム。エンディングがないので好きな時間に好きなだけ遊べる。 わたるくんは引っ込み思案だ。プレイヤーは自己紹介やクラスメイトについて聞いたり、プレゼントを渡したり、撫でたりしてコミュニケーションをとる。…

わが子の感性を高める子育て 13歳の女の子に、親が教えるキーワード 感性豊かに育てるための、よりよい母子関係の築きかた(2011)

ジョーカー、化け猫家庭教師の別名(ウィキペディアより)を持つ松永氏の教育メソッド本(?)。 氏曰く、この本は「ふだんお気づきの、あるいはお気づきそうで再確認できない、女子教育の正しい方向性のご参考になることを願って、不肖私自称教育コンサルタ…

売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ(2017)

この本を手に取ったのは「売春島」という一般的に不名誉な名前の島民がどんな思いを抱えて生活しているのか気になったからだ。答えを先に書いてしまうと彼らは淡々としていた。渡鹿野島(わたかのじま)は島民曰く、仕事もなければ特産品も目玉もない島で売…

加門七海の鬼神伝説(2020)

著者は鬼を心から愛する加門七海氏。 「怖いけど大好き」な鬼の話をする著者は終始暴走気味だ。 御伽草子の酒天童子の描写が気に食わない!から始まり、桃太郎、源頼光、渡辺綱など鬼と敵対した者への罵詈雑言、果てには酒天童子へのストーカー宣言…、読んで…

やきうのお兄ちゃんの怪談「せや、ひとりかくれんぼでもしたろ」

このゲームはタイトル通り、ネットを介し広まった都市伝説「ひとりかくれんぼ」を実行した主人公の物語である。一本道ノベルでプレイ時間は20分ほど。 主人公はネット発祥のキャラクター(?)「やきうのお兄ちゃん」。黄色いカエルのような容姿でエセ関西弁…

おじいちゃん大好きだよ!「おじいちゃん、お見舞いに来たよ」

このゲームを遊び終えた後、私は放心状態になった。しばらくして落ち着きを取り戻し、後悔した。数分前の自分に会えるなら、私はこう警告するだろう。 油断するな。 内容はタイトル通り、入院中のおじいちゃんをお見舞いに来た女の子の物語である。「おじい…

嫌すぎるけど愛おしすぎる「イケメン彼氏と鼻糞を喰おう!」

クールで口数は少ないが言葉の端々に優しさをにじませるパーフェクトな男前の上司、荷物と共に爽やかさを届ける宅配のお兄さん、道端で座り込んでいた捨て猫のような瞳を持つ美少年…。この3人のイケメンと結ばれる条件は彼らの鼻糞を喰らうこと。ゲーム紹介…

三秒前の恋人

何を書けばいいのか分からない。 それがこのゲームを遊んだ後の率直な感想だった。数分で終わる、ドッド絵のアニメーションゲーム。プレイヤーがやること、いやできることは物語を彩る演出(?)だけ。 私は基本乙女ゲームなどの選択のある、ゲームに影響を…

混乱と涙に感情を揺さぶられる「無職ら~めん物語」

ゲームの舞台は寂れた商店街のラーメン屋。主人公ワイはぎっくり腰の父に代わり、厨房に立っていた。二次元のおにゃのこへの愛を叫びながら、店を切り盛りするワイを支えるのは2人の幼馴染。 「さめさめ」は元ミシュラン星1のシェフ兼ユーチューバー。裸で調…

ハニー、僕を置いていかないで「フリー素材のお姉さん ~ ハニートラッパー ~」

主人公の彼女ハニーを演じている(?)女性はフリー素材界隈で有名なお姉さんらしい。私はフリー素材はいらすとやしか知らないので失礼ながら存じ上げなかった。目の大きい可愛らしい人である。 冒頭はハニーと主人公の惚気と甘い恋人の日常が描かれている。…

アジア・中近東・アフリカの民族衣装 衣装ビジュアル資料2(2013)

民族衣装はその民族を最高に格好良く可愛く見せる、最高の服。 というのが、この本を読んだ私の感想だ。民族の魅力を最大限に引き出すため考案されたのだから当然なのだが、大量に掲載された写真は例外なく人、服、自然が見事に融合し、神々しくさえあった。…

謎の人物と謎の質問「狭間の館」

全エンディングを見た後、自分の視野の狭さに頭を抱えた。エンディングは選択肢によって変化し、とあるエンディングを見るためのヒントはゲーム内にある。隠されているのではなく、ある。しかも誰もが見ている、あからさますぎる場所に示されている。 にも関…

あれ?エッチなこと考えていませんか?

舞台は心身共に疲れ果てた人々を癒やすリラクゼーションサロン。サロンを訪れたお客を迎え入れるのは笑ゥせぇるすまんの喪黒福造に似た男。 この店のリラクゼーションはありふれた身近なアイテムを使用するが、「気持ちよくなりすぎて失神してしまうお客がい…

俺の生死を決めるゲームがパリピ感パない件

パチンコで莫大な借金を作ってしまった根暗満太郎は黒スーツの男に拉致される。彼は借金の帳消しを条件にパリピなゲームに参加するはめになる…。 ストーリーは制限回数内に複数の選択肢から正解を選ぶことで進む。制限回数を超えれば、即ゲームオーバー。1周…

水彩のような日常「かえりみち」

完成度の高いフリゲの覚書を書く必要はあるのか?書かなくても記憶に刻み込まれているのだから時間の無駄では?そもそも覚書を全世界に公開する意味は? いかに手を抜いて生きるかを考えている自分らしくない。根っからの怠け者思考の私が思わず真面目なこと…

怒らない練習(2013)

この本を手に取ったのは妙にむしゃくしゃしていたからだ。両親と喧嘩したわけでも残しておいたピノを妹に食べられたわけでも電車で隣りに座った兄ちゃんが居眠りして船を漕いでいて、何故か私の肩にぶつかってきたわけでもない。ネットにどっぷりつかってい…

ヤンデレ的×日常ごっこ

可愛い絵柄にすっかり油断していた。ストーリーもギャグテイストでやっぱり油断していた。フリゲに限らず、現実世界でも油断は禁物だ。いつ何時、何が起きるか分からない。 行き過ぎた愛をぶつけまくるストーカー田中くんと彼をいなしまくる主人公の会話はギ…

放課後王子R~貴女は誰と帰る?~

完全無欠で欠けまくっている王子様達と一緒に帰ろう! 誰かこの地獄の道連れになってくれ。そんな感想を抱かずにはいられない。 作り手さん曰く「ブラックジョーク」とのことだが、超ヘビー級すぎて気持ちが追いつかないところが多々あった。私にもう少しブ…

鬼と日本人(2018)

鬼に始まり、片側人間(異類婚姻で生まれた子ども)に終わる。 以下、気になった点のメモなど。 仏国童子は齢130年をもって雷電と共に天に去った。(11 鬼は人間に危害を与える一方、福を招く存在である。近代に入り社会秩序が安定すると共に鬼の両義的な性…

サンカの真実 三角寛の虚構

サンカ研究第一人者、三角寛。 彼の研究のほとんどは類稀なる想像力で作り上げられた。自分の理想とするサンカ像を写真に収めるため、持参した衣装、道具を協力者のサンカに使用させ(使用後は回収)、博士号を金で購入し、自分の研究が認められないと「博士…

『カムイ伝』のすゝめ 部落史の視点から

漫画「カムイ伝」から見る部落史。非常に重いテーマで読み進めるのが終始辛かった。…というわけではなかった。本書の始まりは学生運動を始めとする激動の時代を生きた著者の青春の日の思い出話から…と書けば伝わる人には伝わるのでこれ以上は書かない。 最初…

カムイの世界 語り継がれるアイヌの心

アイヌの習慣、文化などを写真と文で紹介した本。 アイヌには宇宙を創造したカムイが存在する。釧路地方の古老は「飛行機のない時代に何故空の上に宇宙があると分かったのか」と語っている。これを読みながら思い出したのはネイティブアメリカンだ。 ゴース…