イケダの貸出カード。

読んだ本とフリゲについて。

サンカの真実 三角寛の虚構

 サンカ研究第一人者、三角寛

 彼の研究のほとんどは類稀なる想像力で作り上げられた。自分の理想とするサンカ像を写真に収めるため、持参した衣装、道具を協力者のサンカに使用させ(使用後は回収)、博士号を金で購入し、自分の研究が認められないと「博士号を金で売ったことをバラす」と東洋大学を脅した。

 大分の小さな集落に生まれ、私生児として生を受けた三角は幼少期からいらずらっ子で盗癖があった。本名を嫌い、ペンネームを家の表札にしていた。

 三角の研究に協力したサンカの1人、斉藤氏は語る。

斉藤は三角について、

「結局、自分たちを利用しただけの人だ」

と言っている。

三角が使ったからくりの仕掛けも知り抜いていて、わたしが平成十五年六月十一日、初めて会ったとき挨拶もそこそこに、

「三角の書いていることは、ほとんどが嘘ですよ」

と切り出したものであった。

サンカの真実 三角寛の虚構 p81

 著者は「三角の虚言は常人の神経では理解しがたいほど、すさまじい」としながら、三角の身内、関係者などから聞き取りを行い、虚構で塗り固められた研究を裸にしていく。

 三角の研究の「うさんくささ」は当時から言われていたようで、疑念を抱いていたのは彼の娘婿も同様だった。著作権継承者である娘婿は三角の書いた「サンカ社会の研究」「サンカの社会資料編」の再刊をなかなか許可しなかった。

 文字を持たず、被差別民と謂れのない差別を受けてきた彼らについて分かっていることはほぼ、ない。だからこそ今も強い影響を持っている三角の研究は毒にしかならないと著者は語っている。

以下、メモ。

三角の著述の中で、いちばん多かったのはサンカを素材にしたものであった。(略)サンカを扱った物語を書いた作家はほかにいなかったわけではないが、少なくとも量の点では三角に比肩しうる者は全く見当たらない。

(略)ふつうの読書家にとって、サンカのイメージは三角の創作のそれであった。

サンカの真実 三角寛の虚構 p20

サンカの真実 三角寛の虚構

発行:2006

著者:筒井功

本体価格:760円+税