嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

人間界の狂気の果て「兄貴懐妊!」

 勘違いに勘違いを呼びそうなとんでもないタイトルである。内容はタイトル通りなのだが、ギャグに全力を傾けているため、姉様方が喜ぶような展開はない、はず。自分にはそちらの趣味がないので分からない。

 クリスマスの夜、主人公の「俺」は行き場のない怒りをティッシュにぶちまけていた。敗北感と悲哀の漂う聖夜を過ごしていた主人公の前に突然、死神が現れる。驚きながらも死を回避したい一心で「子育てが残っているのなら、延命できるんだったよな!」と死神も初耳の条件を叩きつけ、主人公は実の兄を紹介する。

 適度にハゲ、過度に太った中年男の腹の脂肪を我が子だと主張する主人公。死神と弟の狂言の組み合わせを前に特に驚くこともなく、「きゃわいいエンジェル・ロリが宿っている」と自らの腹をあやし始める兄。ノリがいいのか、狂っているのか判断しかねる危険な兄弟の主張に死神は怒り心頭だ。

 その後、死神が奪うべき魂は主人公ではなく、彼が解き放った遺伝子おたまじゃくしだと判明。しかし主人公の死は神に報告済みで、その変更は不可能だという。

「…かくなる上はこの腹の脂肪を子供だと偽ろう」

 死神の上司の一言を皮切りに人間と死神は神を騙すため、エロ音声の収録に奮闘する。

 何を書いているのか分からなくなってきたが、全て本当なのだから更に頭が混乱してくる。神を騙すためとはいえ、死神全面協力の元、ゴーヤーやスクワットなど様々な方法で兄弟のエロ音声を収録するシーンは控えめにいって地獄である。

 しかも収録シーンはこのゲームのメインディッシュに位置づけられているので、描写も時間もたっぷり割かれており、やはり地獄である。混沌と地獄をゲームにしたらきっとこんな感じなんだろうな…と兄弟の喘ぎ声を眺めながら思った。

兄貴懐妊!

ジャンル:ノベル

推奨年齢:15歳以上

制作:笹笠箕範

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