嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

混乱と涙に感情を揺さぶられる「無職ら~めん物語」

 ゲームの舞台は寂れた商店街のラーメン屋。主人公ワイはぎっくり腰の父に代わり、厨房に立っていた。二次元のおにゃのこへの愛を叫びながら、店を切り盛りするワイを支えるのは2人の幼馴染。

「さめさめ」は元ミシュラン星1のシェフ兼ユーチューバー。裸で調理するダンディー料理動画を投稿し、広告収入は生計を立てられるほど。もう1人の幼馴染「吉田」はアマジョンレビュー1.3の自称純文学小説家。他にも店の常連、アル中で歯も味覚もない「おんちゃん」、幼馴染トリオの運命を大きく変える謎の男「みっちゃん」が物語を盛り上げる。

 おにゃのこの色んな汁でラーメンを作りたいワイ、チャーハン作りに快感を覚えるさめさめ、味が分からないのにラーメンを食べに来るおんちゃん、イケヴォを習得しているみっちゃん、待てど暮らせど登場しないワイの父…。

 設定、台詞、写真、画面越しに現れる全てに疑問ばかり浮かんでは消える。男3人がラーメンを作っているフリー写真のバリエーションがこんなにも豊かなのは何故なのか?その写真を使いゲームを作ろうと思った作り手さんの精神状態は大丈夫なのか?あとがきに登場したお好み焼き(画像は犬)の正体は?

 中でも混乱したのは、こんなにもふざけきっているゲームなのにストーリーが妙に深く、目頭が熱くなったことだ。

 …この国の人間は疲れ過ぎているのかも知れない。

無職ら~めん物語

ジャンル:コメディ、実写、みっちゃん

推奨年齢:15歳以上

制作:金魚ぱくぱく

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