嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

燕に餞 -10 minutes to airplane fall-

novelgame.jp

 飛行機墜落に遭遇してしまった津原大介。飛行機が落ちるまでの十分間、彼は何を思い、どんな行動を起こすのか。

 プレイ時間は一周、十五分くらい。エンディングは全六種類。

 圧倒的完成度を前に、正直何を書いたらいいのか分からん。

 津原の孤独と彼の隣りに座っていた糸洲涼子の事情。乗客が混乱する中、淡々と言葉を交わす二人の奇妙さと場違いさ。津原視点で物語は進むので彼の冷めすぎた心情と態度の理由は知ることはできるが、糸洲の言動の違和感は全てのエンディングを見ても明かされず、想像するしかない。

 しかし、想像しようにも私の頭の出来が悪いのか、情報が少なすぎるのか、未だにこれだと思える答えを出だせていない。

 糸洲が戸惑いながら口にした「……私は……人が、人との会話が、好きで」と最後の最後に一人ぼっちで死ぬのは寂しいの言葉が妙に引っかかる。そこにこの物語を解く鍵がありそうな気がする。