嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

嫌すぎるけど愛おしすぎる「イケメン彼氏と鼻糞を喰おう!」

 クールで口数は少ないが言葉の端々に優しさをにじませるパーフェクトな男前の上司、荷物と共に爽やかさを届ける宅配のお兄さん、道端で座り込んでいた捨て猫のような瞳を持つ美少年…。この3人のイケメンと結ばれる条件は彼らの鼻糞を喰らうこと。ゲーム紹介ページにつけられたタグは「こんな乙女ゲーは嫌だ」。

 本当に嫌だった。

 高い画力で描かれた攻略対象(特に美少年)はいつまでも眺めていたいくらい美しく、格好良く、可愛い。ストーリー冒頭は漫画風のコマ割りをカメラが追う形で進み、様々な角度から彼らを眺められ、至極の時間だった。

 至極を地獄の時間へと突き落としたのは鼻糞だった。何が嫌かといえば、高い画力が鼻糞にも使われていることだ。「ああもったいない!」と叫んだ私の反応は至極当然だろう。

 一応可愛らしく(?)デフォルメされているが、鼻糞をどんなにデフォルメしようとモザイクをかけようとやつらは不快カテゴリーから出られない。にも関わらず、鼻糞は画面に居座り続け、何故か言葉を話し、エンディングが近づくにつれ、主人公の口へと飛び込もうとするのである。彼らと結ばれるには鼻糞を食べるのが条件だと書いたが実は食べなくても結ばれるルートはある。が、このゲームはどうあがいても「最終的に誰かが鼻糞を食べなければならない世界線」にある。

 もう本当に不愉快だった。なのにアニメーションの完成度は高いし、隠しエンディングの解放条件が妙に凝っているしで、ここ数日夢中で遊びまくっている。当然イケメンの鼻糞を喰らう回数も増えるわけで。たすけて。

イケメン彼氏と鼻糞を喰おう!

ジャンル:乙女ゲーム

推奨年齢:15歳以上

制作:ピュアシンプル亭

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