嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

怪談実話集(2007)

 幻の怪談書「怪談実話揃」を中心に大正から近代に起こった怪奇事件を集めた本。

 男が浮気、不倫をし、女が恨みを持ったまま死に化け出てる話が多かった。金絡みも多く、もののけの類が出るのは47編中たったの7つ。文明が栄え、科学の発達し始めた大正から近代における「本当に怖いもの」は人間…ということなのかもしれない。

 地元の怪談がいくつか収録されていたが、聞いたことも見たこともない話ばかりで戸惑った。昔話のように言い伝えることがないので広がることなく消えていくのが近代における怪談の特徴のひとつなのかも知れない。それにしても恨まれて化けて出られても引っ越したら無問題な話があったのだが、そんな便利なルールいつから出来たのだろう?

怪談実話集

編集:志村有弘

著者:2007

本体価格:660円+税