嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

いちばん詳しい オーディン、フェンリルからカレワラまで「北欧神話」がわかる辞典(2014)

「誰も死は避けられない。それは神も同じ」というのが北欧神話、最大の特長だろう。巨人ユミルの死体を使い作られた大地、1日の始まりは夜、人は木で作られたなど、知れば知るほど日本との違いに驚き、貪るように読み勧めた。違いがありながらも親近感が湧くのは自然信仰と生死感が似ているからだろうか。

 北欧神話における死は最初にも書いた通り神でさえ避けられない(ログナレク)。また生も運命の三女神(ノルニル)が司っており、人生の幸不幸も定めていた。戦場の死も同様である。永遠の命などまやかしではなく、避けられないもの、自然の1つとして受け入れること。生死感を通し、過酷な環境の北欧、自然災害の多い日本に生きる人々の共通点を見た。

「カレワラ」とはフィンランド南東部、カレリア地方を舞台とする神話である。

原始的な要請崇拝の名残を色濃く漂わせるフィンランドの神話や伝説は北欧やエストニア、ロシアの神話の影響を受けつつ、口承で語り継がれる中で独自の発展を見せていた。

引用:いちばん詳しい オーディンフェンリルからカレワラまで「北欧神話」がわかる辞典

 1835年、エリアス・リョンロット博士は各地をめぐり、物語を集め、同年「古カレワラ」を出版。古代の人々が文字を持たなかったこと、キリスト教の普及により神話が失われ、断片的なものしか残っていなかったため、博士は独自の解釈を加え、1つの物語に仕上げた。

 老人ゆえに女性に振られ続けるワイナモイネン、女性ばかり口説いているレミンカイネン、神がサウナに入るシーンなど神話というより滑稽話に近い印象を受けた。当時すでにキリスト教が普及していたので異教の神を神として描けなかった影響だろうか。