嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる!(2006)

 不安障害を発症し、脳の処理機能が低下した結果、本が読めなくなった。最近になってようやく読めるようになってきて、連日大食い選手の如く、本を読みあさっている。 

 数うちゃ当たる。

 当然合う合わん、おもろいおもろくないはあるもので、そんな本でもいっぺんは目を通しておきたいと思うのは貧乏の証。他にも要所だけを知っておきたい本に対し、速読術を身につけとったらええやろなあと下心全開で手に取ったのが本書である。

 感想を先に書くと自分が期待していた速読術ではなかった。速読術は文章を塊で認識し脳内で映像化し、読み進めるみたいなイメージがあった。でもこの本は違う。

ちなみに私は、本を読んでいて、時に3~4ページくらい、平気で読み飛ばしてしまうことができるようになりました。あるいはマグロをさばくような感じで、全体をざっくりさばいて、トロならトロだけを食べて終わり、という読み方もできます。

引用:齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる!

 大事なところだけ拾い読みし、全体を把握する…というやり方なんだろうか。速読術を学ぼうとしている人間が言うことじゃないが、一字一字に魂を込めている書き手を思って切なくなった。

 よく考えてみると自分は本を通して知識を得つつ、文字も読みたいんだなと再確認。本当に身につけたいのは記憶力だと目的が明確に。年を取っても記憶力を上げる方法はないだろうか。幼少期より、すぐ物をなくす、わたくしでも。

 そういえば昔、テレビで速読術をマスターしている子供の特集を見た。強烈に覚えているのは本屋で速読術(パラパラめくる方法のやつ)で、本を立ち読みする我が子の隣で次々本を手渡す親の姿。親からすれば数秒で読み終える本を買い与えるのはもったいなかったのだろう。

 子供ながらに、もやもやした。商品である本を大量に、しかも何度もパラパラされる書店、本を買う人のことを少しも考えていないように見えたから。これは自分が神経質なのかもしれないが、正直(中古や図書館は別にして)何度もパラパラされた本を買いたくない。せめて図書館に行ってほしかったなあと未だに思う。

 何年も前の映像なので、その子供は立派な大人になっている。今でも本屋でパラパラ速読術をしているのかなあと思うともやもやする次第。本人のせいじゃないのが余計に。

 あれ、何の話をしてたんだっけ…。