嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

クールな男のホットな恋物語「数学教師の恋愛」

「せーんせっ、今日、何の日か知ってる?」

「…理解不能だ。」

 バレンタイン当日、女子生徒からの問いにクールすぎる答えを返すのは数学教師、御堂匡(みどうたすく)、35歳。厳格な家庭に生まれ育ったため、冗談が通じないほど生真面目で、愛する彼女でさえ感情が読めないという。

 今作は「シチュエーションボイスドラマ『聖夜のプレゼント』御堂匡の後日談をノベル作品化」。単体でも遊べるが、シチュエーションドラマを聞いた上で遊ぶとさらに楽しめるとのこと。私は聞いていないが十二分面白かった。

 一匹狼で感情の凹凸が少ない御堂は恋を知ったことで、些細なことで心が揺らぐようになってしまった。己の変化に戸惑いながら御堂は必死に平常心を保とうとする。堅物の化身のような御堂が大真面目に心の変化と格闘する姿はどこか滑稽だ。

 最後の最後まで戸惑い、格闘を続けた彼の目の前に現れるのは愛する彼女。揺らぎやすくなった自身の心について彼は特に言葉を残していないが、彼女と再会後の表情を見るに新しい自分を受け入れられたのだろう。

数学教師の恋愛

ジャンル:恋愛ノベル

推奨年齢:全年齢

制作:pentagu

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