嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

理不尽な女の子と「love laboratory」

 いきなり放り込まれた無機質な空間。目の前にいるのは人形のように繊細で愛らしい女の子。

「久しぶりだね」

 そう親しげに声をかけられるが彼女とは初対面だ。ずっと待っていたと笑顔で語る彼女に一瞬、気を許しそうになるが彼女はその隙を許さない。

 プレイヤーの安易な選択に彼女は怒り、ゲームキャラクターとプレイヤーの垣根、画面を越えようと感情を撒き散らす。その姿に怒りより同情を覚えたのは、やはり彼女がゲームキャラクターだからだろう。

 所詮ゲームだ、プログラムだ。

 理不尽だろうがなんだろうが、受け入れてしまえば楽に生きられるのに。それを知ってもなお、抗わずにいられない。この苦しみは現実を生きる私達と何ら変わりがない。地位、名誉、富、自分、ありとあらゆるものを手放せたらどんなに楽に生きられるか。

 1番、辛かったのはトゥルーエンドを迎えても本当の意味で彼女が救われないことだ。ささやかな幸せさえ、私=プレイヤーの欲が原因で壊れてしまう。

 ゲーム紹介ページには「理不尽な女のパンツを見るゲームです」。

 理不尽なのは彼女ではなく、私だ。

love laboratory

ジャンル:?

推奨年齢:15歳以上

制作:めろn

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