嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

ブッダ最後の旅 大パリニッバーナ経(1980)

 ブッダ、最後の旅と死、そして死後の弟子達の様子を記録した「大パリニッバーナ経」を訳した本。訳を手掛けたのは中村元先生。

 ブッダの死を聞いて「ああ、もう色々うるさく言われなくて済む」と口を滑らせた人がいたこと、それをあえて経典に残したのが面白かった。この台詞を残した人は彼と同意見だったのか、それとも腹が立ったのか。

 しかしブッダの近くにいたのに悟れないなんて、とんでもないチャンスを逃しているなあと思わないでもない。ブッダの愛弟子アーナンダが悟ったのはブッダの死後。悟りは自力で達成するものなので、仕方ないのかな。でもブッダをうるさい人として捉えるのは、やっぱりもったいないと思うんだ。

 ブッダが生きている時代から集団(サンガ)は来る者拒まずで、分裂の火種を抱えていた。人が違えば考え方も違うわけで、そこに時代が加われば、諸行無常ブッダの教えも変化せざる得ない。

 当然っちゃあ当然だけど、個人的に教えの原型が日本にたどり着いてほしかった。いくら仏像に願っても生きづらさは消えなかったんだから、なあ。でも仏像に手を合わせて心穏やかになる人もいるわけで、処方箋は人によるということか、なあ。

 本の内容全然書いてない、なあ…。