大人も知らない世界の仕組み なんで水には色がないの?(2014)
初出:前ブログ
作品情報
著者:五百田達成
文響社 2014年発行
本体価格:1280円(税抜き)
著者プロフィール
この章では簡単に著者のプロフィールをご紹介します。
五百田達成(いおた たつなり)
1973年東京生まれ。 東京大学教養学部アメリカ科卒業。心理カウンセラー、作家など多彩な才能を持つ。
執筆や講演の主なテーマはコミュニケーション心理、職場の人間関係、社会変化と男女。
モットーは「大人でも知らないことを、子どもでもわかる言葉で」。
(引用:本書プロフィール)
出版作
「男女コミュニケーション」
「きょうだい型性格分析」
「ことばと伝え方とSNS」など。
「察しない男 説明しない女」シリーズは35万部を超えている。
オフィシャルサイト
子供達のなんで?大人のどうしよう…に答える良作
「なんで水に色はないんだろう?」
「なんで戦争は起こるんだろう?」
子供達の自由な発想から生まれる純粋な疑問。その疑問を投げかけるのは、たいてい近くにいる大人達です。
子供にとって大人は神の如く、完全無欠なパーフェクトティーチャー。しかし、神々は純粋な民(子供)の質問にしどろもどろで曖昧な答えを言うだけ。
酷いときには「自分で調べ!」と怒り出し、純粋な民は神へ不信感を募らせる…。特に子供はどこからくるのか聞いたときの神は目も当てられません。
大人はずるいし、無責任だし、何も知らないし、最悪だ!!
ーーと、こんな悲しい幼少期を過ごした私は現在、ずるくて、無責任で何も知らない大人に成長してしまいました。
全て大人のせいです。
あくまでも倫理的になんで?に答える
前置きが長くなって、申し訳ありません。ここからが本題です。
今回読んだ「大人も知らない世界の仕組み なんで水には色がないの?」は私のような人間を作らないための、良作となっています。
本書は子供達の疑問に「あいまいに」「感情的に」答えるのではなく、あくまでも世の中の仕組みを理論的に説明しています。
ですから、この本を読めば、
「お父さん、子供はどこからくるの?」
「コウノトリさんが運んでくるんだよ」
というこの世で最も下らない会話を回避できるわけです。
※子供の誕生秘話は本書に収録されておりません。
理由は分かったけど、どうやって伝える?
大人は本を読めば、世界の仕組みをある程度理解できますが、子供はそうはいきません。難しい問題をどう子供に説明したらいいのでしょう?
そんな説明下手な大人に救いの手を差し伸べてくれるのは、当然本書です。仕組みを説明した最後のページに子供達へ伝える際のポイントや注意点などが掲載されています。何という親切設計。
子供は「なんで?」を解決でき、大人は知識を得、説明の仕方も覚えられる上、子供からの信頼を失わずに済むのです。
最後の質問は
質問は「自然と科学」「世界と文化」「お金と経済」「政治と社会」「人間と生命」の5つにジャンル分けされています。収録されている質問も風が吹く理由から、おじいちゃんの口の臭さまで幅広く、大人も興味深く読めること間違いなしです。
個人的に好きな質問は「どうして人は死ぬの?」と「好きと愛は違うの?」。
感情論ではなく、科学的なアプローチの塩対応さが心地よかったです。仮に子供のとき、人が死ぬ理由を「人は細胞の入れ替わりがね…」と説明されてもポカンとしてしまいそうですけれども。
それでも「寿命!」の2文字を言い放たれるより、分からなくても必死に説明してくれた方が納得したんじゃないかと元子供の私は思います。
最後の質問は「大人って楽しい?」。
本書の最後の質問は「大人って楽しい?」。
あなたはこの質問に何と答えますか?
私は、まあ、
…そんなことより、この本を買いにいこうぜ?