嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

すけべです。「すけべ」

 舞台は亭主の宣伝力のなさと向かいにライバル店ができたことで経営難を迎えている飯屋。店を畳む寸前の飯屋にやってきたのは無銭飲食をしそうな身なりの卑しい男。

「わしは偉い仙人である!この店の経営難を救いに来たのじゃ!」

 仙人にしては着物が汚い、日本語が話せるのは何故なのかとツッコミを入れながらも藁にもすがる思いで男を信じる亭主。この男の正体は詐欺まがいなことで生計を立てている身持ちを崩した元遊び人だった。

 男は少なすぎる供物を条件にありがたい文字で店を盛り返してやると言い放ち、さらりと紙に筆をすべらせた。

「すけべ」

 寺小屋を怠けていた男が書ける、たった3つの文字。この紙を店の1番目立つ場所に貼るよう言いつけ、男は店を去る。飯屋にふさわしくない意味を持つ、引くほど汚い文字は人々の興味を引き、あれよあれよと店は盛り返していく。

 設定もさることながら使用されている画像の時代がめちゃくちゃで話に集中できない。そもそもゲーム開始ボタンが「すけべです」で初めから集中は切れていたが。

 個人的に印象的だったのは男が書いた文字を書家が大絶賛する場面だ。素人が書いた汚い文字を書家がくどくどと褒める姿は、自分の価値観や思い込みで本質が見えなくなっている人間の愚かさを見事に描写している。世界をあるがままに見られたら、どんなに気楽に誤解なく生きていけるだろう?

 と、真面目に書いたが作り手さんにそんなつもりないだろうし、もっと楽に遊んで欲しいと思うんだな。

すけべ

ジャンル:ギャグ

推奨年齢:?

制作:笹笠箕範

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