嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

春夏秋冬〈自然〉に生きる(2017)

 著者は金峯山史上2人目となる千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)を達成した僧侶、塩沼亮潤氏。

 本書は著者の何気ない日常、自分を厳しく愛情深く育ててくれた親や師との思い出、幸せに生きる術などが優しく分かりやすい言葉で書かれている。

 仏教に詳しくない私でも「この世は因果関係で成り立っているのだから動作にも気を使え」という一文はハッとさせられ、己の雑な生き方を反省した。自らと対峙し、厳しい修行を経た著者の言葉は深く突き刺さる。

 が、しかし読んでいる最中、私は常に息苦しさを感じていた。著者の生き方、思想の枠を強く意識してしまい、勝手に窮屈な思いをしていたのだ。価値観、感受性の違いはこんなにも精神的苦痛になるのかと驚いた。

春夏秋冬〈自然〉に生きる

著者:塩沼亮潤

発行:2017

本体価格:1400円+税