多分そんなに怖くないホラーゲーム
ギャグテイストで謎が多そうなのにしっかりと伏線回収をしてくれる、不思議な内容。タイトル通り怖くはないけど、テイストと内容のギャップに驚かされる。
殺すしか選択肢を与えられなかった異世界転生勇者
タイトル通りの内容。が、しかし、演出、構成、どれも秀逸でいい意味で裏切りの連続だった。
何を書いてもネタバレになる。素晴らしい作品にあーだこーだ書くのは粋じゃねえなと思う今日このごろ。
さみしいカッパ
「 こどもとつくる朗読絵本」をイメージして、絵本のようなノベルゲームを制作しました。
ゲーム説明が見事すぎて、書くことがない。まさにこれ以上これ以下でもないという感じ。登場人物(?)は一人ぼっちのかっぱと迷子の子供。かっぱが子供にどういう行動を起こすかで、エンディングが変わる。一周五分ちょい。エンディングは全五種類。
大人になって絵本を読んだのは覚えている限り、二回くらい。一回目は絵本ブームがあって、その流れでうさぎの本を購入して読んだ。二回目は立ち読みで自分で育てた牛を食べる子供の絵本。
どっちも泣いたけど、丹精込めて育てた牛を美味しいって泣きながら食べる子供の場面はもうボロボロに泣いた。牛との別れも死も人間の身勝手で、それでいて仕方のないことなんだけど(確か子供の家は畜産業についていた)、どんなに辛くても理不尽でも牛はうめえっていう倫理とか命とか綺麗事を蹴散らしてたのが心に染みた。どう足掻いたって牛はうめえもの。感動は倫理や綺麗事を越えた先にあるのかもしれない。
あら、なんのはなしだっけ…?
Ivy
地元の人々に恐れられている喫茶店「lvy」。経営者の女性を「悪魔の手下だ」と噂する地元民を「あたおか」扱いし、主人公、森尾優治は喫茶店へ向かう。
地元民の言葉を無視したのは森尾が旅行客のよそ者で、なおかつ都会人だったからなのか。地元民の忠告や文化を無視し、時に馬鹿にして痛い目にあう都会人の物語は映画や小説など、様々な場所で見てきた。それは二次元に限ったことではなく、現実でも歴史を読み解くと、いくらでも出てくる。どうにも(一部の)都会人は田舎の人を馬鹿にする傾向があるらしい。
きっと森尾にも無意識にこの考えが根を張っていた。だから痛い目にあってしまったのだろう。その地で長く暮らしてきた地元民の言葉はどんな内容であれ、尊重し、従うべきだなあと改めて思う。名前こそ日本とひとくくりにされているが、土地ごとに文化や決まりは違うのだ。
プレイ時間はゆっくり進めて十五分くらい。一本道ノベルで選択はなし。
ポメおじさん
類は友を呼びすぎる。
変態が変態を呼び、少女を恐怖と混乱に陥れる今作。何も悪いことをしていないのに変態に振り回される不幸な少女、叶恵はペットのポメラニアン「コタロウ」を亡くしてしまう。
引っ込み思案の彼女にとって、コタロウはとても大切な存在だった。学校に行っている間に亡くなったため、看取れず、後悔する叶恵。そんな彼女の前にコタロウと名乗る中年男性が現れる。
妙に露出の多いポメラニアン(?)の恰好をしている中年男性。彼いわく、ポメボールなるものを三つ集めると元の姿に戻れるらしい。なんかよう分からんけど、ポメラニアン(中年男性)と少女はポメボールを集めるため、街を縦横無尽に駆け回る!と書いたら、ドラゴンボールのようなワクワク感があるけど、絵面が最悪すぎる。通報案件…と思ったら案の定、そういうエンディングが用意されていた。
何故か男性は常に半ギレ、被害妄想も強く、変な格好をしなくても恥ずかしい大人だった。対して叶恵は時に引き、時に冷静に話を聞く大人の対応。精神は外見で測れないと改めて思った。
変態全開のおじさんとの珍道中。彼女のトラウマにならないと良いな…。
ひ弱でも筋肉がほしい
主人公の町夜(まちよ)は昔から体が弱く、運動が苦手だった。ひ弱な自分を変えるため、町夜はトレーニングジム(レインボージム)に通うことを決める。
薬を決めてんのかと勘違いするほど、ハイテンションなジム店長。店長いわく、普通に筋トレをして、見た目に変化が表れるのは約六ヶ月と言われているところ、レインボージムなら一週間でムッキムキになれる、らしい。驚く町夜に店長は続ける。
「だが、ここで鍛えられるのは、身体の1部分のみだ。」
嫌な予感しかしない。
全編ギャグテイストで(というか、この設定でシリアスは面白すぎる)、テンポ良く話が進む。プレイ時間は一周、二、三分くらい。エンディングは全部で四種類。
エンディングはどれも予想外過ぎて、消化に時間がかかった。どういう結果であれ、町夜が納得して、自分に自信を取り戻していたからいいかな、と祝福と切なさの交じる変な気持ちになった。