嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

オッパイ入門(2018)

初出:前ブログ

 今作は漫画家であり、エッセイストでもある東海林さだおのエッセイ本である。オール讀物に掲載されたエッセイ15本と中野翠(コラムニスト、映画評論家)との対談が1つ収録されている。

「エッセイに論理はあまりいらないんじゃないか。論理を繋げていくより、漢詩みたいにいいリズムがあればそれでいいような気がしてる」

(引用:東海林さだお - Wikipedia 2021年5月11日 (火) 02:15 )

 この言葉通り、するりと頭に入る文章と無邪気で柔軟な発想。これで80代だというのだから恐れ入る。

 ショージ君(敬愛を込めて、こう呼ばせていただく)との出会いは10代であった。長寿エッセイ「まるかじりシリーズ」で読みやすさと視点の幅の広さに脱帽した。さらに驚いたのは50近く年上のショージ君に共感出来たことだ。

 普通、年を取ると頑固になり、頼んでもいないのに持論を展開しがちだ。しかし、ショージ君はいつまでも友人のように「おい、こんな面白いことがあったぜ」と語り掛けてくれる。大人の冷静さと常識を持ちながら子供心を忘れない。これは容易に出来ることではない。年を取ればと取るほどショージ君のすごさを実感する。

 さて、今作は「オッパイ入門」である。

 当初、図書館で堂々と借りた武勇伝、オッパイについて長々と書こうとしたが、安易な発想だと我に返った。そこで本書に関係ない、思い出話でかさ増しを試みた次第だ。

 ちらりと読んだネットレビューのほとんどが「俺流オッパイ論」だった。頼んでいないのに、とわざわざいう必要はありませんね。

作品情報

「オッパイ入門」

著者:東海林さだお

発行:2018年

本体価格:1350円+税