嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

平安女子の楽しい!生活(2014)

 平安を生きる女性の生活について書かれた本。10代向けなのでとても読みやすいが、おしゃれに疎い自分はボトムス、インナーなどの若者言葉(?)に戸惑った。…何でもかんでも英語にする必要はないのになあと婆は思う。

 貴族の女達は何十にも重ねた重い着物、長い長い髪と共に1日中部屋の中で物思いにふけ、恋をすれば恋に夢中になり、家族ができれば家族に夢中になった。引きこもり(?)だからか、現在よりも物事へ向ける情熱が強い気がした。人にもよるだろうが「蜻蛉日記」を記した道綱母は家族、主に夫へ不満を21年書き続けた。

「萌え」というのは今の「萌え」と似ています。若々しいともちょっと違う。なにかが出はじめの、幼いけれど、ういういしくかわいらしい感じです。

平安女子の楽しい!生活 p12

 以前から「萌え」がよく分からなかった自分はこの文章を読んで何となく「萌え」を掴んだ気がした。いわゆる萌え絵が幼女に似ているのはここに由来しているのだろうか。「萌え」が平安時代にまで遡るならもう遺伝子レベル、立派な文化である。

 作中に源氏物語の末摘花(面長で鼻が赤い姫)の描写とイラストが添えてあるのだが、自分そっくりで気分が暗くなった。

平安女子の楽しい!生活

発行:2014年

著者:川村裕子

本体価格:840円+税