嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

電車の中を10倍楽しむ心理学(2014)

 サングラスをかける人、席に大股で座る人は小心者で自分を大きく見せたい、電車の中で本やスマホを手にするのは他者との関係を持ちたくない現れ、小心者ほどパーソナル・スペースが広い、服はその人のなりたい自分、見られたい姿、髪を触る癖がある人は寂しがり…。大声のお喋りが気になるのはパーソナル・スペースを侵されていると感じているから、席の隣に荷物を置くのも同様。読めば読むほど、人間の過剰な恐怖心が浮き彫りになってくる。

 あの手この手で人間は恐怖心を排除しようとする、その努力。なんて弱いんだ。なんて脆いんだ。だからこそ群れざる得ないのか。ここまでくると「賢い人間」を意味する「ホモ・サピエンス」もただの強がりに思えてくる。

「俺の剣が届く範囲は俺の国だ」と言い放ったのは漫画「銀魂」の主人公を務める銀さん。対して我々は「俺の荷物を置いた範囲は俺の国だ」。なんか、ダサいな?

電車の中を10倍楽しむ心理学

著者:渋谷昌三

発行:2014

本体価格:1200円+税