嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

神社で柏手を打つな! 日本の「しきたり」のウソ・ホント(2019)

 御朱印は寺発、恵方巻の歴史は浅い、初詣が定着したのは昭和から、二礼二拍手一礼は神官が祭祀で行っていたのを一般人が真似をした、除夜の鐘を打つようになったのはラジオのスタジオに鐘を持ってきて、つき始めたのが始まり…。

 右から左へ何の疑問もなく従っている「しきたり」。その発祥を調べると意外に根拠がなかったり、歴史が浅かったり、商業戦略があったりと拍子抜けする。新しいしきたりが生まれる影で古いしきたりが消えていくのは言うまでもなく。そんな新旧の入れ替わりを行いながら、様々な事情、文化を取り入れ、しきたりは脈々と受け継がれていく。

 最近、新しいしきたり、風習になりつつあるのはハロウィンだろうか。個人的にあまりいい噂は聞かないし、一部の参加者の傍若無人な振る舞いは世界にも発信されているらしく、とても恥ずかしく思っている。本書によると今のハロウィンと同様の騒ぎは日本にクリスマスが入ってきた戦後すぐからあったようで、彼らは「クリスマス族」と呼ばれていたらしい。大の大人がクリスマスに飲めや騒げやと大暴れし、交通事故やけが人が続出したという。その様子は黒澤明監督の「醜聞(スキャンダル」で観られるとのこと。人間、変わらんな…。

神社で柏手を打つな! 日本の「しきたり」のウソ・ホント

著者:島田裕巳

発行:2019

本体価格:860円+税