日本の神々と仏 信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学(2002)
八幡様
民俗学の柳田国男は、八幡神は鍛冶の技術をもつ氏族集団の氏神だったのではないか、と仮説を立てている。
古代において鍛冶の技術は特別なもので、それをもつ氏族集団は日本全国を移動していた。かれらは移り住んだ先々で一族の氏神を祭ったと考えられ、八幡が全国に広がった理由が、これで理解できる。
引用:日本の神々と仏 信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学 p47
天神様は菅原道真。
道真の家にあった京都の桑原の地だけが落雷の被害に遭わなかったこともあって、かれを火雷天神とする御霊信仰が起こった。雷が鳴ると、身を守るために「桑原、桑原」と唱えるのは、このことに由来している。
引用:日本の神々と仏 信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学 p52
お地蔵さん
もともとお地蔵さんは、古代インドのバラモン教の神々の一人であった。地蔵の仲間は、日蔵、月蔵、天蔵がいた。日、月、天と、いずれも星にまるわるバラモンの信仰に根ざしている。バラモンの教えでは、大地は母性の象徴である。つまり地蔵は、母なる大地の慈愛に満ち、人びとの苦しみを救うと信じられていた。
引用:日本の神々と仏 信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学 p58
大黒様
じつは、大黒天はもともとインドの摩訶迦羅という天界に住む荒々しい仏で、寺院の台所に祀られていた。
引用:日本の神々と仏 信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学 p62
恵比寿様は山幸彦との説あり。
弁天様。起源は古代インド。インダス川を神格化した神。
お不動様。インドのヒンズー教の三神のひとつ、シヴァの異名。
金毘羅様。インドのガンジス川に住むワニの神。
韋駄天。仏教が生まれる前からインドにいた神。元はバラモン教の神でシヴァの子供とされる。
日本の神々と仏 信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学
発行:2002年
監修:岩井宏實
本体価格:667円+税