嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

ブッダのことば スッタニパータ(1984)

 スッタニパータとは仏教書において最も古いとされている聖典である。訳を担当したのは日本のインド哲学者であり仏教学者の中村元先生。

 優しい表現で紡がれた文章はまるで直接ブッダのことばを聞いているような感覚に陥る。と格好つけてみたが、中村先生の訳は本当に読みやすい。

 ブッダは生前、民衆を相手に説法を行い、難しい言葉を使わなかった。中村先生もそれを意識し訳をされたという。

 楽しく穏やかな人生を送るため、出家したブッダが発見した「真理」、真理へ至る方法とは何か。

 ブッダが語ったのは嘘をつかない、怒らないなど、小学校で習うようなことばかりだ。しかし、そんな当たり前の教えが今もなお伝えられているのは、当たり前が1番難しいからである。

 当たり前のことを当たり前にできる人間になったら、世界はどんな風に見えるのだろう?