嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

本当の戦争の話をしよう 世界の「対立」を仕切る

発行:2015年

 記憶が正しければ数年前、親ガチャなる単語が誕生した。

 その基準でいえば自分は完全なるはずれ組。それでもあまり意識せず、貧しいなりに朗らかに幸せに暮らしていたのだがこの本を読んでガチャ格差に少々心が痛んだ。

 前に読んだ「仏像にインタビュー」と同じく対談もので登場するのは福島の高校生と伊勢崎大学教授。彼らは数日間にわたり、平和と戦争を中心に世界情勢、子供兵士、原発、第9条など幅広いテーマを話し合う。ちなみに伊勢崎教授は戦争、紛争などの解決のため世界中を駆け回っていた生の戦争を知る人物である。

 高校生との対談なので各テーマはおかゆレベルに嚙み砕かれ、世界情勢の「せ」の字も知らない自分でも最後まで美味しく、難なく読めた。全419ページの厚さも苦にならない。絶品おかゆ

 しかし最近の高校生は勉強熱心だ。

やっぱり、軍ではなくて、自衛隊という立場なので、自衛という、日本国民を守るためのものであるということが、あるべき姿なんじゃないかと思います。何もしないことで、その姿勢を示すというのが理想なんじゃないか。

引用:本当の戦争の話をしよう 世界の「対立」を仕切る

 他国への自衛隊派遣について、とある高校生が述べた言葉。頭良すぎ、ワロタ。当時の自分は何をしていたかというと18禁のエロゲチラシ集めに奮闘していた。思春期真っ盛りすぎ、ワロタ。あまりの差に草も生えん。

 貧困家庭、勉強嫌いだった学生時代。前者はともかく後者は無知の言い訳にならない。毎日学校に通い、近所に図書館、勉強する環境は整っていたのだから。小学校から高校まで10年以上に及ぶ学生生活を送り、得たのは「服を着たキャラクターがブラジャーをしているか否かを判断出来る能力」。

 役に立たな過ぎて草も生えん。※土に塩をまいたレベル。

※土に塩をまくとなんやかんやの影響で雑草はもちろん植物も生えなくなる。管理人が決めた世界トップ34、絶対やってはいけないことの一つ。

 この本に登場する高校生達は進学校の生徒で貧乏エリートの自分と比べること自体が間違っているのかもしれない。でも彼らと同じ(細かいことは抜きにして)親ガチャに当たっていたら、もうちょい苦労の少ない人生を歩んでいたのではないか?と思わないでもない。少なくともエロゲチラシを集めようとはしなかったはず。

 親ガチャは「はずれ=悪、当たり=善」なんて簡単なもんじゃないのは学のない自分も分かっている。人間は数えきれないくらい様々な要因が複雑に絡み合い成り立っていることも。

 6人に1人が貧困。コロナ、物価、失業率などが上がり続けている日本は間違いなく、貧困大国まっしぐらだ。野良猫も食わないようなこの悲惨な状況。自分に出来るのは本を読み、知識を得、選挙へ行くことだろうか。なんか、悔しいなあ…と月並みの言葉しか出てこぬ自分の教養のなさよ。

 この本を読みながら日本の子供達と子供兵士が重なって見えたのは自分の無知と妄想だと思いたい。