嗚呼、刀葉林

読んだ本とフリゲについて、書いたり書いてなかったり。

仏像にインタビュー

発行:2009年

 仏教といえば仏像を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。仏教知識がなかった時の自分は空だった。なんにも思い浮かばん。広い目でみれば悟っていたのかもしれない。違うか。

 内容はタイトル通り、著者が仏像にインタビューする妄想対談もの(?)。文章だけでなく途中漫画が差し込まれているので最後まで楽しく読める。

 個人的に「日本霊異記(にほんれいいき)」に収録されている吉祥天のエピソードが強烈だった。僧侶が吉祥天にほれ込み意気投合。翌日彼女は服を着たまま精液まみれになっていたという。

(略)きっと彼はアタシに煩悩をぶちまけて、一皮むけたのね。

引用:仏像にインタビュー

 心が広いにもほどがある。そして僧侶への好感度が下がりすぎる。

 日本に限らず昔の人々にとって性はダブーでもなんでもない。あって当然、隠す方がおかしい。スーパーオープン、観音開き。

 それにしても吉祥天、心が広すぎないか。

 懺悔の神である吉祥天と性欲の断ちづらさを伝えるエピソードなのだろうけどもオチが強烈過ぎて、吉祥天を見かけるたび精液を思い浮かべてしまいそうだ。

 吉祥天様、30を越しても思春期が抜けなくてごめんなさい。でも僧侶もおかしいと思うのです。性癖がゆがみ過ぎている。

 他にも面白いエピソードは沢山あったけども阿修羅が悪神になった理由も記憶に残った。娘を帝釈天に奪われ、戦争を仕掛けるも敗北し悪神に。しかも帝釈天は娘を嫁がせようとしていた相手とか、どこのインド神話~。

 仏神様もプライド、欲求色々あるから大変ねと同情しつつ、仏教の悟りって全ての執着を捨てるのが最終目標なんじゃないの?矛盾しないか。

 まあ、仏像はブッダが死んだ後作られた熱烈なファンによる二次制作の二次制作の二次制作みたいなもんだから仕方ないね(?)。